ドグラ・マグラ

はーんです。

第12回詰将棋解答選手権 第1ラウンド 4番

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第12回詰将棋解答選手権 第1ラウンド 4番 優秀作品賞

 

13と 同玉 14歩 23玉 24歩 12玉 13歩成 同玉 14銀 12玉 23歩成 同歩 13銀成 同玉 14歩 12玉 24桂 同桂 13歩不成 21玉 22歩 同玉 34桂 21玉 12歩成 同香 22歩 11玉 12香成 同玉 13歩 同玉 14香 迄33手

5年前の解答選手権で発表された作品。5年前……

創作のきっかけは上記太字部の銀→歩の打ち替え。不利打ち替えは不利合駒などの構想作の収束でよく使われるイメージがあり、それ単体では狙いとしては弱いと思われるが、本作では打ち替えの効果を打ち替えられた駒が動いた後に表れるようにしたのが工夫。打ち替えた歩を不成で動かす感触は悪くないと思う。さらに、狙いの打ち替えの前に歩→銀の打ち替えを入れることで歩→銀→歩という二段構えの打ち替えとなっているのが作者の自慢のポイントである。また、初手から収束までの全体的な雰囲気やリズムにも一貫性があり、メイン部を中心としたまとまりの良さも気に入っている。「空にかけ橋」の記事でも述べたように、構想を実現するのみではなく表現にも拘った自分らしい作品に仕上がったと思う。

そういえば先の記事で「空にかけ橋」が自作の中編で一番お気に入りと書いたが、よく考えたらこちらの方が好きかもしれない。とにかくどっちもめっちゃ好きなのである。

 

余談ではあるが、藤井聡太現七段が解答選手権優勝自戦記でこの作品にも触れられており『21玉となったとき成銀が歩だったら…』と狙いの部分についても書いていただいた。

詰将棋作家として、これほど名誉なことはない。私の一生の自慢である。